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夏の出来事
第2章 好きな顔

タクミは思う。

やばい。
また、、、勃ってきた。
でも今ならバレないか。
、、いや、そんな事考えてる場合か。

タクミは、急に気まずい気持ちになり、ちづるから視線を外した。
うつむきながらタクミは、トイレのドアを開けた。

「あ、ありがとう、、もう大丈夫だから、、、」

と、ちづるはトイレに移動しながらジーパンのベルトをカチャカチャと外し始めながらドアをバタンと閉めた。
タクミは、ふーっと深く息を吐くと、その場に座り込んだ。

やれやれ。

タクミは冷静になろうと、深く深呼吸を繰り返した。
しばらくすると、水を流す音が聞こえてきた。

ドアがあいた。

「、、、。」

「間に合ってよかった。」

、、、って、失礼かな。

「うん、、、。」

しばらく沈黙した後、

「迷惑かけて、ごめんなさい。」

「いいよ。」

タクミは、立ち上がって下半身の膨らみがバレたらまずい、と思いしゃがみこんだ体勢のまま話している。

「今から病院行くの?」

「うん。タクシー呼んで、行く。」

「、、、付き添おうか?」

「あ、ううん、、。それは大丈夫。近くに親が住んでるから。もうすぐ仕事終ると思うし、、。」

「そっか。」

「、、、。」

「、、。じゃあ、俺、帰るわ。」

「あ、うん、、。」

「お大事に。」

タクミは立ち上がり、隣へ帰ろうとした。

「、、あ!ちょっと待って!」

「え。」

「あの、、、。
落ち着いたら、お礼したいから、、。
その、、連絡先、教えてくれないかな?」

え?
いいよ、お礼なんて。

そう言おうとしたが、ちづるの目が真剣で言葉が出てこなかった。

「あぁ、、。
じゃあ携帯でいい?
ラインやってる?」

「うん。」

「じゃあ、ID教えるよ。
落ち着いたら探してみて。」

タクミはちづるにID を伝えると出ていった。
タクミはその夜、ちづるの姿が頭から離れなかった。
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