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第9章 全てを手に入れるか、全てを失うか

耳と胸が痛い…確かに彼女の言う通りだった。

「フラれたですって？当たり前でしょ、今まであんなに好かれてたこと自体が奇跡なんだから。私は計算高い女だって陰口たたかれようが何だろうが深之に振り向いてもらうための努力をしたわ。だけど、どうせ あなたは『カノジョがいるから仕方ない』『ミユキを困らせたくない』とか自分に言い訳して、戦いもせず諦めてるんでしょ？そのくせ未練タラタラでさ！イイコちゃんの仮面を被った、あんたみたいな女が私は一番キライ！一度くらい、なりふり構わず全力で戦ってみたらどうなの!?」

怒り狂った彼女は最終的に何が言いたかったのか？
あたしが理解するまで多少の時間を要した。

「えーと…それはつまり、遠慮なくミユキを奪えってこと？」

「奪えるものならね。この際キッチリ決着つけましょうよ、このままモヤモヤされるよりマシだもん」