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第9章 全てを手に入れるか、全てを失うか

「ホントに、それでいいの？」

「オール・オア・ナッシングよ！初恋の女を忘れられないまま同情で付き合ってもらうなんて真っ平だわ」


ボンヤリしていた世界が、彼女の言葉ですっきりと晴れ渡る。

本当は、今までみたいに気持ちを切り換えることが出来なくて、ずっと苦しかった。

忘れるどころか、時間が経つにつれてミユキへの想いは益々ふくらむばかりで…

「ありがとう、リナちゃん！あたしミユキにもう一度好きになってもらえるように頑張る！ありがとう」

「礼を言うのはまだ早いんじゃないですか？私だってそう簡単に譲るつもりはありませんから！アドバンテージは私にあるってことを、お忘れなく」

そんな憎まれ口も、今のあたしには天使の囁きにしか聴こえなかった───…