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失恋キューピッド
第10章 ***深之side***
カーペットは捩れ、観葉植物は倒れ、ソファーの位置もおかしい。
それを、
「掃除機をかけただけ」
と、アユミは平然と言い放った…
「お願い、深之君!あなただけが頼りよ」
度重なる娘の奇行に疲弊した彩佳さんは、アユミの説得を俺に押しつけてきた。
彩佳さんが無理なものを、どうして俺になら出来るという発想になるのか不思議でならない。
というか、彩佳さんはどうも昔から俺をアユミのお守(も)り役だと思い込んでいる節(ふし)がある。