この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


恭介にやや遅れる形でこの場にたどり着いた新島は、猛の様子を察して、乱れた息のまますぐに口を開いた。


「――斎宮さんがなかなか教室に戻ってこないから心配で、体育の先生に確かめたのよ」

「委員長。…それで、未結は?」


委員長。猛にそう呼ばれた彼女、新島は猛と未結のクラスの委員長だ。

未結の席の前に座る新島は、未だにクラスメートに馴染めないでいる未結を心配し、よく声をかけていたことを猛は思い出した。

「確かに片付けを手伝ってもらったけどすぐに帰したっていってたわ。
だから着替えに時間がかかっていたとしても、いい加減番谷くんたちのところに合流していてもおかしくないはずなのよ」


つまり、未結にはこちらに合流できない何かがあったということなのか。


猛と滝、そしてこの場にいる誰もの脳裏に嫌な予感が過った。

そして、皆の予感を裏付ける事実が、恭介の口からも語られる。

「生徒会から目撃情報がありました。
斎宮さんが男子生徒と共に、特別棟の視聴覚室へ向かうところを見た、と。
男子生徒の名は東堂。さらに数人の男子生徒が昼頃から視聴覚室に出入りしていた、とも」

眼鏡の淵に触れた恭介は敢えて淡々とした声色で述べた。

「やー。これはちょっと滝クンも猛クンも二人の落ち度なんじゃね?なにせキングとジョーカーが連日傍にいたっていうのに出し抜かれちゃってるんだし」


その明るい髪を大雑把に掻くと、暁はオーバーに肩をすくめて見せた。

務めて軽い口調になるが、きりりと鋭い眼光の新島によって睨み付けられる。


「ちょっと、一大路くん」

「新島ちゃん怖いー」


暁が降参のポーズをとるも、彼女の眉はつり上がったままだ。


そんな彼らのやり取りを見て、滝は僅かに口元を緩めていた。



苦しい状況こそ笑え。



父が幼いころから自分に言い聞かせてきた言葉だった。



「落ち度なのは百も承知だよ。そんなことより、早く視聴覚室へ。――未結が、危ない」




未結に何かしようとしているのなら許さない。

何もしていなかったとしても、彼女と過ごす貴重な時間を奪っている時点で、既に奴らは滝の機嫌を十分に損ねているのだ。

微笑む口元とは違い、滝の瞳に揺れるのは怒りの鋭光。


誰を敵に回したのか、思い知らせてやる。

/145ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ