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この春 少女から、、。
第11章 純一
「及川 さん、だよね?
あの、、ボーリング場でも 会った よね?」

また ゆっくり振り返る 綾子、ちょっとキョトン としながら。
真新しい制服に きちんとシャツのボタンが上まで止められて 肩までの サラサラの黒髪。
長い睫毛が 濡れて 大きな黒い瞳。
その瞳で 驚いたように 純一を見上げる。

間近で見る綾子は
ドキっとするほど 可愛かった。

「こないだも スパイク!
大丈夫だった?」

笑顔で 覗き込む純一から ふっと目をそらす。

えぇっ、、、無視、、は
ないでしょ、、、。

覚えてるのか 知っているのか 自分の存在、、。
ろくに 会話も出来ないまま しばらく歩く。

「 お、、俺も 駅 行くからっ。」
一緒に歩く 可愛い言い訳が 必要だった。

「バレー部どうなるんだろうね、、。」

その問いかけにも うん、、と 微妙な相槌だけで
なかなか 気まずい空気。

身長は 思ったより高い、160センチ程だろうか、以外に華奢でスラっとしている。

あっと言う間に 駅。
じゃあね、という純一に 軽く会釈をするように 綾子は改札に 消えていった。


清楚で はかない、、そんな綾子の事が 一気に特別な存在に なった。
監督に何か聞かれたのか 頑張って意思表示してた、上級生に知り合いでもいるのかな、、。
彼氏はいるのかな、、。

優しい子には 間違いなさそうで、
何と言うか 内側から 薄〜い 透明な 可憐な女の子オーラをまとった雰囲気。

今 別れ振り返る瞬間に
ほんのり 石鹸の香りが 微かにした。
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