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第14章 初めての お泊り

また 小一時間程 走ったのだろうか、
こじんまりとした ペンションのような和風旅館？に到着した。

「綾子 着いたよ。」
「ありがとう純一、疲れたでしょう、
ゴメン うとうとしちゃった、、。」

何度も チュウ出来たから 許す、と笑う純一。


中に入ると カフェのようなフロント、一つ一つの椅子が 可愛い。
微かにお香の匂い、、
JAZZが 静かに流れてる。

よく見るとLPレコード、針を置いた丸い板が クルクル回っている。

「素敵、、！純一が見つけたの？」
「前にテレビでやってて 綾子と来たかったんだ。」

なんとなく ヒソヒソ声になる 二人。

三十代くらいの作務衣のお兄さんが 笑顔で ウェルカムドリンクを持って来た。

「ようこそ、いらっしゃいませ。」

熱いおしぼりと 旬の冷たいマンゴージュースを頂きながら 純一はチェックインの手続き。

まさかこんな 立派なところでお泊まりなんて、、
ちょっと驚いて緊張していた。
どこかのラブホテルかな、くらいは想像していたけど、、。

「明日のご朝食は 何時が宜しいですか？」

純一が ふと私の顔を見た、一緒に考えるように。
私は 少し首を傾げた。

「一番遅いのは 何時ですか？」

「九時でございます。」
「じゃあ すみません 九時で。」