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この春 少女から、、。
第19章 最後の
勤務医よりも時間の融通がきくので 開業し、
同時に 嫁の実家で一緒に暮らすようになった、と。

最初は 可哀想な我が子に優しくしたご両親も だんだん 手に負えなくなっていき、、。

穏やかな時と 凶暴な時の差が 凄い、と。
流石に暴力まではないが 気に入らない事があると 狂ったように親にまで怒鳴り罵り続け、
幻聴 幻覚も 見えるようになっていき、、
一度自分の通う診療内科の看護士にまで泣きわめき大暴れした、と。

否定型鬱 と言って 最近は増えているようで でも治療も薬も追いついていない、、。
感情のコントロールが 出来なくなり 記憶障害も、、。
急速に 彼女が彼女でなくなっていった、、と。

結局、
自分はそんな嫁から 逃げていたんだ、
何一つ分かってあげられず、、
怖かったんだ、逃げたかったんだ、、と。

辛い思いをさせて 申し訳なかった、と。
綾子の存在にさえ 気づいては いない、と。

とても優しい賢い女だったが、
もうそこまでの思考は なかった、と。


時間をかけて 私に話してくれた。

院長は泣いていたのか、、
院長の方を 見れなかった。

女将さんが 炊き込みご飯とデザートを持って来た。
何か神妙な空気を見て 片付けもそこそこに出ていった。
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