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この春 少女から、、。
第21章 十九歳
「妻から没収した 大量の薬が あるよ。
それを飲んで 半分眠りながら 林で首を吊ったんだ。」

「、、、、、、。」

「馬鹿な医者が簡単に出すんだ、睡眠薬。
いくら取り上げても また何処かで手に入れてくる。」

「、、、、、、。」

「同じような病気で 母も自死した、
私が歯科医師免許取得した年に。
安心したのか、、。
一欠片も私は母を分かって なかった。」

「えっ、、、。」

「綾子は 病気じゃないから 薬は必要ない。」

「、、、、、、。」

「もう私は生涯 心から笑う事は ないと思う。
逝く人は いい。
自死によって 遺された者は その瞬間 全ての過去が後悔になる。生涯その重い懺悔を背負う事になる。
あの時 こうすれば良かった、
あの時 ああすれば良かった。
毎日の全てが きりがないんだ。
いくつになっても 何処にいても
何をしていても。」

「、、、、、、。」

「家族が憎いのでなければ 薬はいらない。
分かるね?綾子。」

頷きながら ポロポロ涙が出た、、。

自分なんて 到底分かりもしない 院長や奥さんの苦悩、どれだけ深い悲しみの中で 生きていたのか、、。
人は弱い、果てしなくもろい。
傷つくほど強くなるなんて 嘘だ。
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