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陽炎 ー第二夜ー
第2章 勝負師
翌日。

仕事に出かけるるいさんに、俺は声を掛けた。

「るいさん。悪いんだけどさ、ちょっと出掛けたいとこがあるんだ。籠使いたいから、小銭貰えないかな?」

「何処に行くの?」

るいさんは不安そうだ。

俺は笑って

「心配しなくても、夜には帰るよ。
俺はあんたから離れたりしない。信じて?
あんたと一緒に居る為に、やる事があるんだ。」

るいさんは、腑に落ちた風ではなかったけど、それ以上俺に聞けなかったんだろう。
渋々といった様子で金をくれる。

ごめん、るいさん。
次はちゃんと稼ぐからさ。

俺は、その金である所へ行った。

買ったものを持ち帰り、思いついた方法を試してみる。

何回か試して、上手くいくことが分かった俺は、再び外に出て、籠を拾った。



「小石川の、高石養生所まで。」


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