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思い出のアルバム
第19章 それぞれの想い
「って事でケリつけたよ…」
ちゃんと前みたいに…修ちゃんだけを想っていたい。
やっぱり今の自分は、修ちゃんと顔を合わせられない。
ちゃんと顔向け出来るようにしたい……。
だから、その足で後輩クンに会いに来た。
他の男にはメールした。多分、それで終わる。
「でも、それってケリついてないじゃないですか…」
「そう?私スッキリしたんだけど…」
「じゃあ、先輩が思う通りじゃなかったらどうするんですか?彼に他の女が居たら…いいんですか?はっきり確認しなくて…」
「いいよ……それでも私は、彼が好き…。後でそれがわかったとしても、その時に頑張って受け入れるよ」
「何だかんだやっぱり臆病者ですね…先輩は」
「臆病者でいいよ……何とでも言って」
この心優しい後輩クンにも
私でなくてちゃんと他の女を見てほしかった。
私なんかを追いかけるより、絶対幸せになれるから……。
「わかりました。でも、俺先輩と今まで通り居ますから」
ん?!わかってないじゃん!!と首を傾げる。
「だって、正直付き合ってるって言っても、そう思ってたの俺だけだし、一緒に帰ったり、休みの日遊んだりって普通の友達でもするじゃないですか」
「確かに…そだね。そのかわり、私ははっきり断ったからね……」
「じゃあ俺に彼女出来てから、やっぱりとか言わないでくださいね!!」
「あはは…大丈夫だよ!!」
「・・・俺、やっと先輩の笑顔見れた気がする…」
その瞬間、唇を塞がれた……。
軽く触れるだけの……キス…
「ずっと……本当はしたかったんです。でも、先輩は俺とちゃんと向き合ってくれてない気がして…。この人の心からの笑顔を見れた時、絶対してやるって決めてたんです。すみません……」
きっと…後輩クンの中でも複雑な思いがあったんだろう。
必死の覚悟で告白したのに、その相手は本気で受け止めてくれてない。
私だったら、即へこたれてる気がする。
それなのに、ここまで色々話聞いてくれて、
ここまで勇気づけてくれて……
「ありがとう……たける…ほんとに」
心からそう思った。