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束縛されるなら君に
第5章 5
「…………ちゃんと聞くから、いいなよ」

優しい、瀬田くんの声だった。
言い方はぶっきらぼうだったけど、声音は穏やかで、不覚にもそれがスイッチとなって涙がみるみるうちに溢れてくる。

「……ごめんね…」

「それは何のごめん?」

「…………ホントに、ごめん……」

「……それは、さよならのごめん?」

「違っ、違うわ。あの……その……」

鼻声になりながら、私は誰もいない保健室で顔をくしゃくしゃにしながら号泣した。

「……瀬田くんが、好き、なの。お願い……誰ともセックス、しな……いで……」



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