この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
戦国ラブドール
第20章 半兵衛は二度死ぬ
 
「――私は、自分とあなたを重ねて見ていました。あなたが理不尽な苦痛を耐えられれば、私も同じように耐えられる気がしたのです」

「あたしを……?」

 半兵衛は胸から離れると、大海の足を広げ、内腿に頬ずりする。

「私は一度、武士として死にました。斎藤に仕えていた話は、知っていますね? 当主龍興様の乱れた心を諫めるため、城を奪い……そこで、人生を終えました。そしてその後、近江へ来た事があるんです」

「近江へ? それは、知りませんでした……」

「浅井家臣の客分として、一年ほど滞在しました。生まれ変わり、この地で新しい人生を探そうと思ったのです」

 大海は、自分の短い髪を思い出す。その頃の半兵衛の気持ちが、大海にはよく分かったのだ。

「ですが、私は近江から逃げました。結局旧領へ戻り、目的もなく惰性で毎日を過ごしました。一人で立ち上がり、生きる覚悟がなかったのです」

「でも、半兵衛殿は今、秀吉様の元にいらっしゃいます」

「ええ。私を生まれ変わらせたのは、私自身ではありません。死んだ私へ何度も声を掛け、情熱を注いだ秀吉でした」
 
/656ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ