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戦国ラブドール
第20章 半兵衛は二度死ぬ
 
 そこで初めて不満げな表情を見せて首を横に振る大海に、半兵衛は苦笑いする。

「そんなあなただから、私はあなたに縋ってしまったんですよ」

「縋る?」

「ええ。先程も言いましたが、私はあなたに自分を重ねていました。あなたが私の暴力に耐え、その中で新しい道を見つけられたなら、私も生き返れる気がしたんです。強いあなたに触れるたび……自分も強くなった気がしました」

「……そういえば、吉継も、似たような事を言っていました」

 吉継の名を上げると、半兵衛は微かに目を開く。だがすぐに平静を装うと、穏やかに訊ねた。

「吉継は、なんと?」

「あたしに触れていると、生命力を分けてもらってるみたいだから、つい悪戯したくなるって」

「あの子が……そうですか。大海、不躾な質問ですが、答えていただけると嬉しいです。あなたは、吉継に抱かれた事がありますか?」

 突然のあけすけな質問に、大海は目を丸くする。だが、半兵衛は至極真面目のようで、真剣な瞳を大海に向ける。下世話な質問ではないのだと感じた大海は、取り払えない羞恥に顔を赤く染めながらも、頷いた。
 
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