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心掟
第2章 偶さか


時計の針が21:00を指そうとしていた。

彼は店のシャッターを手慣れた様子で閉め鍵をかける。
鍵をかけた後もう一度鍵がかかっているか確認する。
そして彼女の待つコンビニの方へと視線を移す。

「 お疲れ様。」

店の脇の路地から彼女がひょこっと姿を現した。

「 ちょ、コンビニでって … 」

心配してるこっちの気にもなれよと言いかけた時

「 ね。お腹空いたの、早くご飯行こう? 」

少し首を傾げて此方を見る。
そんな甘え方、一体どこで覚えてきたんだ。

「 わかった、わかったから。」

降参しましたと言わんばかりに片手を挙げる。
つられてなのか彼女も同じように片手を挙げ、その光景に二人でぷっと吹き出し笑う。


あぁ、こんな風だった。
学生時代の彼女も。
誰にでも好かれるようなその態度。
きっと本人は気づいていない。
その癒しの雰囲気に。
少し身勝手でも何故か許してしまう。
きっとあの時の彼女の周りの人間もそうだった。


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