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心掟
第2章 偶さか
駅近くのファミレスに入る。
「 こんな所で良かった? 」
「 構わないよ、すごくお腹空いてたの。」
「 今日、飯食った? 」
「 朝は食べたけど、お昼食べ損ねちゃって。」
おいしいパスタ屋があるから、と連れて行こうとしたのにも関わらず、近くのファミレスで良いと言った彼女の気持ちが少し理解できた。
きっと物凄く腹が減っていたんだろう。
料理の注文を終えると彼女は申し訳なさそうに口を開いた。
「 ごめんね、急に。」
眉を下げ気味に視線を落とす。
「 いや。何かあった? 」
「 ううん。何かあった訳ではないよ。」
そう言いながら視線を泳がせる。
俺はもっと君が知りたい。
今日、再会できたんだ。
今まで知れなかった君を、教えてくれないか。
そんな気持ちが口を突いて出そうになった瞬間、彼女の口から思わぬ言葉が飛び出した。
「 実は私ね。ずっと君の事が気になってたの。」
照れた様に頬を染め視線はテーブルの上をなぞる。
そして脈がだんだんと速くなっていく。
「 学生の頃もっと親しくなりたかったんだけどなかなか勇気が出せなくて。」
「 卒業してから、何度も会って話がしたいと思ってたんだけど。」
丁寧に言葉たちが並べられてゆく。
それを彼は黙って聞き受ける。
「 ほら、なんていうか。雰囲気? 」
「 君、人気者だったから常に周りに人がいたし。」
そんなこと言ってしまえば君だってそうだろ、と口を挟みたくなるがここはぐっと堪える。
「 君、ロックバンド好きでしょ?私もなの。」
その言葉を聞いた彼がようやく口を開いた。
「 え?バンド? 」
「 ん、そう、ロックバンド好きだったでしょ? 」
「 え?それがずっと気になってたの? 」
「 ん、そう、あの時ロックバンド好きな子周りに居なくて。」
彼は、なんだそっちか、と言いたげにソファの背もたれに身体を預ける。
その様子を見て首を傾げる彼女。
そんな二人のテーブルに、タイミングよく料理が運ばれてきた。

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