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心掟
第3章 浹洽
彼女は彼との会話に、すっかり夢中になっていた。
彼女は今まで溜めていたかのように自分の好きな音楽の話をする。
彼も彼女との趣味は確かに合っていたので、だんだんと話が弾む。
気が付けば時間は過ぎ日付が変わろうとしていたので、彼は彼女を連れて近くのホテルへと入った。
「 あたし、こういう所初めてなんだけど … 」
気まずそうに彼を見上げそう言う。
部屋を選び少し狭いエレベーターに乗る。
「 でも宿ないんだろ? 」
「 ん … 」
言葉なのかわからないくらいの小さな返答が来る。
エレベーターが止まると彼女の手を引き、降りる。
“ ここですよ ”と言わんばかりに部屋を示すライトが点灯している。
「 ぷっ … こんな、なんだ 」
それを見た彼女が小さく吹き出した。
見慣れない光景が可笑しかったんだろう。
彼女の笑いのツボは未だによくわからないが。
「 ほら、早く、俺早く風呂入りたいから 」
少し強めに彼女の腕を引き、ライトの示す部屋のドアを開けた。
「 なんか、緊張しちゃう。」
「 そういうこと、してもいいの? 」
「 ちがっ … そうじゃなくて … 」
部屋に入ると彼女がそう漏らしたので、少し煽ると頬を染めながら困り顔を彼へと向ける。
可愛らしい、その表情。
わざとか?
「 嘘、うそ。俺仕事で疲れてるんだ、先に風呂、入らせてもらうよ。」
「 もう … どうぞお先に 」
少し口先を尖らせ不満そうにする彼女。
その小さな変化が、可愛らしい。
わざとか?
そんな思いが溢れ出そうになり、ふっと笑みだけ溢し、堪える。
そして入浴を済ませるために脱衣所へ向かった。

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