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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第2章 燻る感情


――甘い時間って、過ごした事ないかも……
 でも、今は……悠ちゃんがいる……。
 優しくて、温かい……って!


 心地よい冷たい風に当たりながら、暫しの間、一人の時間を過ごしていた私。



「やめやめ! 何、考えてるんだろう、わたし。これじゃ、外に出た意味、ないじゃん……」


 火照りを冷ますはずが、悠との事を思い出してしまい、逆に火照ってしまう。
 そんな自分に、自己嫌悪に陥った私は、小さなため息を1つ吐いた。



「……意味、あるよ」


 と、聞こえて来た彼の声と同時に、私の背中に温かいものを感じる。

 それがどういう事なのか――その意味に気づいた私は、慌てて身を捩った。



「きゃぁっ!? し、柊斗くんっ! ちょ……離れてっ!」

「髪……冷たくなってる。いい香り……シャンプーかな?」



――なんて、こと……するの。
 や……耳に、柊斗くんの息が……



 背後から抱きしめられて、左側の耳にかかる彼の吐息。

 弱点でもある耳、背中に感じる温かさ――それらは私の中で、消えかかっていた燻りを再燃させる。
 自分の体の変化に、少し怖くなって、もう一度、離れようと試みた。



「し、柊斗くん……あ、あのさ、人も見てるし……やめ、よ?」

「……いいから、黙って。こうしていれば、誰も不思議に思わない。ちぃちゃん、少し騒ぎすぎ……」



 けれども、彼は私の言葉など聞き入れてはくれず、逆にそう言って小さく笑っていた。



「…………」




――騒ぎすぎって……確かに。
 仕方ないでしょ……こんな事、初めてなんだし。
 でも、いつの間にか、大人になってたんだね。
 子供なのは、私の方かな……?



 確かに、彼の言うとおりだった。

 今の状況が、初めてだという事、そして……数時間前の出来事も重なって、動揺していた。

 けれども、よく考えれば、抱きしめられたくらいで、騒ぐ事でもない。

 子供なのは、自分の方かもしれない――そう思うと、彼の方が大人で、その成長を間近で感じた私は、少し気を緩めてしまった。




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