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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第2章 燻る感情


 シートベルトを外された音が、やけに大きく響き、この先の展開が、走馬灯のように駆け巡った。



――この状況は……逃げられない、ね。
 あんな……切ない声、聞かされたら……。



“今は、オレの事だけ…………”



 シートベルトを外された時、彼に耳元で囁かれた言葉。
 その時の、彼の切なげな声に、私は体の中心にチクリと痛みが走った。


「……抵抗、しないの?」

「柊斗くんは……私に、どうして欲しいの?」



 なんて、バカな質問をしたんだろうと思った。
 聞いた所で、応える事が出来ないのに。
 それでも、聞かずにはいられなかった――切なげ声と、少しだけ見えた彼の表情に。



「答えたら、望んでるもの……くれる? オレは……――――」



“ちぃちゃんを抱きたい”



 耳の奥で反響する彼の言葉――やはりそれは、叶えてあげられない事だった。



「……柊斗くん、それは…………」

「出来ないよね? なら…………」



 私がそう答えるのを知っていたかのように、彼は少し自嘲気味に笑う。
 そして、自分がつけた赤い痕を指でなぞりながら、小さく喉を鳴らした――――。




 彼がなぞる赤い痕――それは、悠には一度もつけられた事がないもの。

 その場所をなぞられた私は、自分の中で何かが弾けて、彼の行為を拒む事が出来なくなってしまった。



“流されるからね……”



 彼のその言葉が何度も脳裏を駆け巡る――


「は……口、開けて?」

「はぁ……んんっ……ふ……っ」



 唇をなぞっていた彼の舌が、口を開けた瞬間、躊躇なく入り込んで来る。
 歯列をなぞり、口内をゆっくりと、何かを確かめるように動かしていく。

 車内には、小さな水音が響き渡り、私の中にある理性は風前の灯だった。



――わたし……出来ない、よ。
 悠ちゃん……一度、だけ……
 ごめん、ね……悪いのは、わたしだから。



 消えそうな理性の中で、悠の顔が瞼の裏側に浮かんだ私は、心の中で謝罪をする。



「……ちぃちゃん?」

「な、にも……言わないで……っ」



 後ろめたさを隠したくて、彼にしがみついて、それを懇願した。



「…………」



 悪い事だと判っていても、燻っている感情は、彼にしか消せない事実なのだから――。




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