パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 燻る感情

　一度離れた彼の唇は、再び私の唇に重ねられ、汲まなくなぞられる。
　下唇を這うのかと思えば、口角を舌先で突いてくる。

　その行為に、身震いしてしまいそうなど程、感じてしまった私は小さく体を揺らした。



――ゾクゾク……す、る……
　な、に……これ……？



「はぁ……ぁ……んっ」

「……気持ちいいの？」

「……そ、んな……こと、きかな、い……で……っ」

「可愛い……年上だって事、忘れる…………」



　今の私は――彼より年上でも、全身に走る痺れに、そんなのは関係なくて。

　ただ、ただ……彼の手の動き、指の動きに翻弄されている一人の女になってしまっている。



「や……ぁっ……ん……っ！」



　どこで知識を得たのか――彼は私の胸を前から触るのではなく、脇から包み込むようにして揺らす。

　それは、私の警戒心を解くように、ゆっくりとその形を変える。
　時折、胸の形を変える彼の指先が、主張を遂げた頂を掠り、私の体がまた少し揺れ――。



「……また、泣いてる。ココ……気持ちいいの？」

「ん……っ、ぁあっ！　そ、れ……い、やぁ……っ」



　長いキスの後から続く、胸の形を記憶するかのように蠢く彼の手。
　その動きに、なぜか涙で溢れて、首を小さく横に振った。



「……もっと、聞きたい。ちぃちゃんの声……」



　胸への愛撫をやめる事なく、その涙を掬い取りながら、耳元でそう囁いた。

　その言葉を皮切りに、彼の行為はエスカレートしていく――。



「ぃ……やぁ……あっ、あぁ……っ」

「ね、ココ……すごく硬くなってるよ」



　服の中で蠢く彼の手と、あまり聞き慣れない言葉は、私を少しずつ狂わせて行く――快楽という名の下に。

　彼の言葉に、全身が泡立つような感覚に、下腹部の奥が熱くなる。
　心臓の拍動と同調しているのか、そこから何が溢れ出し、両足に力を入れた。



「……っ！　ぁ……っ！」

「……熱くなってる。少し……湿ってる」



　彼は私のその反応を見逃す事はなく――閉じられている両足の隙間に手を滑り込ませる。
　その手は、ゆっくりと這い上がって来て、柔らかい丘に到達して、その場所で何度も円を描き、やがて下降していった――。