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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第3章 偽り


「ただいま」
「あ、お帰りなさい」
「……今日の晩は、肉じゃがだな」
「正解。二人とも好きだから、いっぱい作ったの。先にお風呂、入る?」


 私が休みの日は、こうして仕事から帰る悠を出迎える。
 玄関先で、部屋中に広がる匂いから、食事のメニューを言い当てるのはいつもの事。

 ただ……今日に限って、悠の表情が違っていた。


「ん……どうするかな? ね、千夏ちゃん……――……?」



“一緒に入って、マッサージして?”



 すれ違いざまに、耳元でそう囁く悠は、楽しそうにリビングに向かって行く。


「へ……? ぁ……っ!」


 ――悠ちゃん……柊ちゃん、居るんだよ。
 また、聞かれちゃう……よ?


「千夏ちゃん、変な声、出さないの。感じたの?」


 振り向き様に、クスクスと笑う悠の表情は、不意に昨夜の出来事を思い出させる。


 ――びっくり、した……。
 一瞬、悠ちゃんと柊ちゃんが重なった。
 や、だ……思い出しちゃったよ。


「か、感じてないもんっ! 悠ちゃん、自覚ない……Sだ」
「そういう千夏ちゃんは……Mでしょ?」
「う……」
「はははっ……あー腹減った……ご飯、食べるよ」


 普通に会話しているつもりでも、私の心中は穏やかではない。
 何故なら――昨夜の事を思い出してしまったから。
 体は、自然と熱を持ち、下腹部がズクリと疼き始める。
 それとは相反して、胸の奥に小さな痛みを感じてしまった私は、悠の背中を見つめ――。


 ――悠ちゃん……ごめんね。


「う、ん……今、行く」


 言葉に出来ない言葉を飲み込み、心の中で呟き、リビングに向かって、ゆっくりと歩き始めた――。


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