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第3章 偽り

「……千夏ちゃん、そんなに締めたら……」
「ん……あっ、ぁあっ！　や、やぁ……っ！」
「手に握っても、キスしても……耳、舐めても……感じちゃうんだな」


　一度、快楽の頂点に達した私の体は、どこを触られても、悠の猛りを強く締め付けてしまうらしい。

　少しだけ、呼吸を荒くする悠は、その締め付けに負けないようにと、最奥へ目指す。


「や……っ、そこ……グリグリ、しない……で……っ！」
「は……気持ち、いいでしょ？　俺も……気持ちいいよ。俺の全部、千夏ちゃんのナカで締め付けられるし……っ」
「やぁっ、あぁっ！　ん……っ、あぁぁっ！」


　そんな卑猥な言葉も、昔は何一つ言えなかった私。
　もう何年も、こうしていると、その言葉ですら、恥ずかしさから、快感に変わってしまう。
　声も同じで、初めは手で覆い、抑えていた――それも快楽の心地良さには勝てず、両手はシーツを掴んでいた。


「千夏ちゃんの声……エロい。中で、出して……いい？」


　幾度となく掻き回され、突き上げられた子宮の奥は、悠の熱を、今か今かと待っている。
　悠の言葉を聞いた私は、それが欲しくて何度も何度も頷く――本能の赴くままに。

　昨日の夜、食事の時の怖さ、複雑な気持ち、全て、悠から与えられる悦びにかき消されていく――。


「ん……っ、ぁ……っ、ぁあっ！　や……ぁっ、い……っちゃ、う……っ！」
「俺も……出すよ……っ！　千夏ちゃん……締めすぎ……っ！」


　ゆっくりとした動きから、尋常ではない速さで動く悠の猛り。
　私の体を抱きしめながら、最奥を抉るように突き上げる。

　繋がっている場所から、水飛沫が上がろうと、そんなのはお構いなし。


「んん――――……っ！」
「――……っ！」


　刹那……私の中で、猛りが一際大きく膨張し――奥深い場所で小さな拍動を感じる。
　同時に唇と手に温かいものが触れて、私の中で拍動する猛りを、強く締め付けていた――――。