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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


「えっ?! 違うわよ! ちょっと考え事してたの」
「ふーん」


 直人とのやり取りはいつもこんな感じ。
 異性としての魅力はあるけれど、私の中では対象外。


「な、に……その、キラキラした目は!」
「それ、聞いてやってもいいぜ。一人より二人って言うし……」


 私が真剣に悩んでいるのに、そう言って、キラキラと目を輝かせる直人。

 ごもっともな意見を述べると、ニッと笑って、お兄さん風をビュウビュウ吹かせる。


 ――確かに……一人で悩んでも答えは出ない。
 答えを出さないと、すっきりしない。


「じゃあ、昼休み……話、聞いてくれる?」
「わかった。んじゃ、昼休みな」


 直人の言うとおり、一人で考えるよりは……そう思った私は、直人に相談してみる事にした――。



 昼休み――職場から、近くの公園に場所移した私と直人は、ベンチに座り、昼食を摂った。


 ――直人、家では禁煙だって言ってたっけ。
 あ……はるちゃんと同じタバコだ。
 職場も分煙だし……知らなかった。


「……で? その悩みとやら、話してみろよ」
「あ……うん。あのね……実は…………――」


 食後のこれがうまいんだ――そう言った直人は、煙草に火をつけて、白い煙を辺りに漂わせる。

 直人が火をつけた煙草の銘柄が、悠と同じだと思いつつも、あまり思い出したくない記憶を呼び起こして、事の次第を話してみた――。



「なるほどな……けど、十中八九、彼氏は気づいていると思うぜ?」


 私の話を聞いた直人は、少し難しい顔をして、静かに口を開く。


「やっぱり、そうなのかな……」
「あぁ……で、その柊斗も、おとなしく引き下がるとは思わない」
「う、ん……それはなんとなく、解る」



 ――やっぱり、悠ちゃん……知ってたんだ。
 絆創膏の下、傷じゃない事……。


 直人に打ち明けて、明確になったのは、悠が、自分がいない間に、私の身に何かあったと察しているという事。

 そして同時に、彼――柊斗くんもまた、チャンスを伺っているという事だった。


 あの時、私に向けられた視線は、狙った獲物は逃さない――という彼からの警告。



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