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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


 ――悠ちゃんは、どうして迎えに……
 直人の言う事も判るけど……そんな事ないよね?


 悠はとても積極的だし、行動派でもある。
 あの日から、悠の様子が違うという事には、私自身も気づいていた。

 今までつけた事のなかった、さもさも自分の所有物だと言わんばかりにつけられた赤い印。


 ――でも、あんな場所まで……悠ちゃん以外、見ないのに。
 首……もう、消えるかな?
 うー……頭痛くなってきた。


「……考えるのはよそう。今は……悠ちゃんが来るのを待とう」


 あれこれ詮索して、考え込むのは良くないと思い、徐に体を起こした。
 と、微かに漏れる居間からの明かりが、私の目を大きく開かせる。


「ちぃちゃん」


 ――え……いつから、そこにいたの?
 って、ここは……危険。
 早く、居間に…………


 私の名前を呼ぶその声が、ぼんやりしていた意識をはっきりさせた。

 部屋のドアの前に立っているのは、トイレに行ったはずの彼。
 あれからどのくらいの時間が経ったのかは、判らない。


「し、柊斗くん! ここは、来ちゃダメっ! ほら、居間に行こう?」


 ベッドから慌てて降りた私は、そう言って慌てて彼の元へ駆け寄る。
 彼の体に触れるか触れない所で、居間から漏れる明かりが消え、ドアの閉まる音。


「ちぃちゃん、ほんと警戒心ないよね」


 トイレは単なる口実――あの時、口元がつり上がっていたのは、この事を示していた。
 鍵を開けている時の彼の顔を見れば、私の中にあった警戒心は自然と解けていて、何の躊躇いもなく招き入れたのは確か。
 それが今となって仇となり、自分の身に降りかかろうとしていた――。


「や……は、離れてっ!」
「答えてくれるまで、離さない」


 私の体は、彼の腕の中にすっぽりと埋まり、無駄な足掻きをして離れようと試みる。
 が、次に聞こえて来た彼の言葉に、私の体は一瞬にして、固まった。


“俺じゃないって証拠は?”


 あの場は、誤魔化せたと思ったけど、その答えを言わないと、この状況は脱せない。
 そう思った私は、小さな声で、それを答えた。

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