この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


「誰にでも、言えないことの一つや二つはあるの。ただ……さっきの事は、柊斗くんはまったく関係ない。あの震えは、昔の事を……思い出したから。あの夜……車の中で起きた事に、怖さなんて……なかった。でも……悠ちゃんに対して、罪悪感を覚えた」


 過去の事は話せない――けれど、あの日……車の中で起きた時の事を伝えた。
 すると、彼の腕の力が弱まり、私の体は少し自由が利くようになる。


「罪悪感?」
「……そうよ。悠ちゃんがいるのに……自分は何をしているんだろうって。柊斗くんだって……彼女がいるのに、そうは思わないの?」
「彼女って、愛奈の事? 彼女じゃない……そういう気持ちは持ってない」


 私の問いに、淡々と答える彼の声色に、焦燥感を覚えた。

 確かに感情はなくても、セックスは出来る。
 事実、私と悠も、最初はそうだったから――。


 ――今、なんて……言ったの?
 恋愛感情はない……?
 それなのに、あんな事……するの?
 愛奈ちゃんの表情は…………。


 でも、彼女の表情から伝わってきたものは、間違いなく恋愛感情。
 あの時聞こえて切ない声も、それを思わせた――。


「じゃあ……なんで、悠ちゃんに会わせたの?」
「それは、嘘が吐けないちぃちゃんのため。俺に彼女の存在があれば、父さんも安心するでしょ? まぁ、何となく……気づいているみたいだけど。ちぃちゃんの変化に……」


 度肝を抜くような彼の台詞に、私は呆気に取られて、何も言えなくなる。


「…………」


 ――それって、愛奈ちゃんを利用してるんじゃ……
 それよりも……私の、変化って……?
 悠ちゃん、気づいていて……あんな事を?


 同時に、脳裏を駆け巡るのは疑問符ばかり。
 キスマークの事も、愛撫する指先も――あの日はいつもと違っていた。


「だけど、相手が俺だというのは気づいてない。灯台下暗し……ってやつだね」
「なっ?! や……っ、離れて! 理由、話したんだよ……もう、部屋から出てって!」


 愉快気に喉を鳴らして笑う彼に対して、無性に苛立ちを覚えた私は、少し口調を強くして、言葉を放つ。
 自分の持つ力を全てで、彼の胸板を押し、距離を開こうとした。

 けれども――――。


/62ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ