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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


――悠ちゃん……ごめん、ね……。
 も……や、だ……たすけ、て……


 心の中で悠に助けを求める私の唇は、彼の舌で弄られる。
 唇の型通りに尖らせた舌を這わせながら、ゆっくりと先へ進んでいく。
 口内に到達した彼の舌は、歯列をなぞり、私の舌を絡め取ろうする。
 それが何を意味しているのか――けれども、私の中にある理性がそれを許さなかった。


「ちぃちゃん……口、開けて」
「や……っ、あ……っ、んんっ」


 頑なに拒む私に気づいたのか、彼は腰に回した腕の力を強める。
 性感帯になってしまった唇を散々弄られた私は、あられもない声を上げ――その隙に、彼は自分の舌を私の口内へ滑り込ませた。


 卑猥な水音が、部屋中に響き、耳を塞ぎたくなる。
 響き渡る淫猥な音が、私の中にある理性を壊していく――。


「……限界、でしょ?」
「はぁ……はぁ……っ」


 支えがなければ、立っていられない程、口内を侵された私には、最早抵抗する力など、残ってはいない。
 嫌というほど、それを実感させられて、ただ、体に酸素を取り込む事しか出来ずにいた。


「……こんな事、父さんはしないでしょ?」
「ぁ……っ」


 ぐったりしている私をよそに、彼は部屋着の裾を捲るや否や、下着の上から指を這わせて小さく笑う。


「……すごいね、ここ。まだ、触ってないのに……」
「や……ぁっ!」


 布越しに聞こえてくる粘着質な水音。
 上下ゆっくりとなぞる彼の指は、一番敏感な場所を見つける。
 ビクンと、私の体が揺れると、その場所への愛撫を強めた。


「ん……ぁ、や……ぁ……っ、ぁあっ」
「……あの時も思ったけど、すごい濡れてる」


 私の耳元で囁く彼は、羞恥を煽るかのように、卑猥な水音を故意に立てる。
 自分でも気づいていた――下着の存在する意味がないほどまでに、溢れている事に。

 風前の灯だった理性は、次の瞬間、フッと消えた。

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