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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第5章 刻印


「千夏ちゃん」


 部屋に入って、お風呂のお湯を入れてる時、背後から聞こえて来た声に、私は振り返る。


「ん?」


 と、そこには、訝しげな顔をして、私を見ている悠の姿。


「今日……なんか、あった? 俺が来る前……」
「?!」


 聞かれた事に対して、心当たりのある私は、思わず体を震わせる。
 それを悠が見逃すはずもなく――。


 ――私には……隠し事なんて、初めから無理なんだ。
 もし、柊斗くんとの事が、知られてしまったら……?
 悠ちゃんは……居なくなって、しまう……?


「千夏ちゃん?」


 そんな悠の姿を見て、私の中に小さな恐怖感が生まれた。
 何かをされるとか、そういう類のものではなく――悠が離れて行ってしまうのではないか?という恐怖。


「……何も、聞かないで。お願い……傍に、いて……――」


 首を横に振ってから、蛇口を捻り、悠の胸の中に飛び込んだ。


 ――いや……だよ。
 離れたく……ないのに。
 傍に、いて……お願い……。


 恐怖と不安を覚えた私は、悠の胸の中で小さくなって身を震わす。
 悠の、規則正しい鼓動は、私の中に芽生えた負の感情を和らげて行く――。

 そうして、落ち着いた頃、悠の何かを含んだ声が聞こえてきた。


「……誘ってるの?」
「……え?」
「今にも泣きそうな顔してる。そういうの、俺だけにしてね」
「……っ!」


 ――すごく……ドキドキ、する。
 悠ちゃん、いつもと違う……?
 考え過ぎ、かな……?


 私の顎を軽く掴み、上を向かせると、そう言ってにっこり笑う。
 そんな悠を見たのは、この時が初めてで、不覚にもときめいてしまう。

 いつもとは違う悠の言動と行動に、私は少女のような気持ちになっていた――。


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