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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第5章 刻印


 それからまもなくして、悠はペットボトルを持って、戻ってきた。


「喉渇いたでしょ? 起きれる?」


 ――う……お、きれない……なんで?


「ぁ……」
「無理みたいだね……いいよ、そのままで。飲ませてあげるから」


 自分の意思で起き上がろうとするも、何故か体が言う事を利かない。
 腰から下だけが麻痺したような、そんな感覚は初めてだった。

 すると、悠は小さく笑って、ペットボトルの蓋を開けて、水を口に含む。
 ついで、私の体を起こして、口移しで飲ませてくれた。


「ん……っ、ふ……っ、ぁ……」
「……千夏ちゃん、腰抜けたんだよ」


 ――腰が、抜けた……?
 そんな事、あるの……?


 悠が飲ませてくれた水、渇いた私の喉を潤して、声を発することが出来る様になる。
 同時に、聞かされた事実に、穴があったら入りたいと思うほど、恥ずかしくなった。


「そ、うなの……?」
「千夏ちゃんは、感度が良すぎるから」
「!」
「俺としては、その方が嬉しいけど……少し落ち着いたみたいだね。お風呂に入ろう」
「う、ん……」


 ――お風呂……さっきの事、何も言わない。
 絶対に、不思議に思ったはずなのに……どうして?
 やっぱり、気づいてるのかな……。


 体に植えつけられた、腰が抜ける程の快楽――。

 それなのに、不意に蘇った不安は、消えそうにない。
 悠から与えられる甘い痺れが、それを忘れさせてくれた。
 そんな不安に駆られるも、今だけは彼の腕の中にいたいと思い、私は立ち上がった彼の腕に掴まり、ゆっくりとバスルームへ向かった――。


「ぁ……ま、って……っ」
「待たない……煽ったのは、千夏ちゃんだよ」
「や……だ、って……ふ、か……い……っ!」


 優しさの中に、悠の「何か」を感じ取った私。
 背後から強く抱きしめられて、深い挿入を余儀なくされる。


 事の発端は、ほんの数分前――。
 浴槽の縁に座った悠の猛りを口に含み、いつものように愛撫していた私。
 その行為に、何かを感じたのか、悠は徐に立ち上がり、私の背後へ回った。


“今日は、帰らないから……覚悟、してね”


 耳元で囁かれた言葉に、躊躇うことなく頷いた私の体は、一瞬だけ宙に浮く。
 同時に感じた強い圧迫感は、悠の猛りが私の中にあるという事を物語っていた。

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