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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第5章 刻印
焦らされていると言った方が、表現的には正しい。
わざと、達せないようにしているのか、決して早い律動はしない。
それ故、私の中で何かが膨らんで行くような感じがして、下腹部に力が入る。
「ぁ……っ、はぁ……や、あぁっ!」
「もう、イきそうだね……一回、イク?」
そんな私の心情と、中の状態を悟った悠は、それだけ言うとゆっくり早く律動を始めた。
悠の猛りが、私の中を行き来するたびに、粘着質な音が辺りに響く。
下腹部の奥を、自身の猛りの先端で突き、蕾を擦る悠。
「ぁ……やぁ……っ! あ あっ……や、い……っちゃ……ぁあっ!」
目の前に閃光が走り、ゾクゾクとした感覚が全身を駆け抜けた時、私の体は否応なしに弓なりになっていた。
同時に、大腿部の内側を伝う温かい液体は、私が達した事を物語っていた――女性の射精と言われる潮を吹いて。
「……っと。大丈夫?」
「ぁ……っ」
身体の強張りが消えて、腑抜け状態の私の手は、浴槽の縁から滑り落ちそうになるも、悠がそれを受け止めて、私はそのまま身を委ねる。
──こ、んな……の、初めて……だよ。
悠ちゃん……気づいてる、よね。
「……大丈夫だよ、千夏ちゃん。俺がいるでしょ? 不安になる事ないよ……少し、休もうか」
何も言わずして、身を委ねた私を包むように抱きしめる悠は、フッと小さく笑う。
そして、それだけ耳元で囁くと、少し乾いた私の唇に潤いを与えてくれた────。
一人で歩く事すらままならない私は。悠に抱きかかえられ、ベッドに寝かされる。
女性の身体というのは、一度達しても、火照りは冷めないらしい。
身体の奥の奥が、今も尚、燻っている事に、少し嫌気が差した。
──どうして……かな?
こんな自分、嫌だな……。
「…………」
「ん? まだ足りないって、顔だね。そういう風にしたのは、俺だけど……」
「!」
「あはは……図星か。少し休んだらね……中に欲しいんでしょ?」
サラッと、卑猥な事を言ってのける悠は、赤くなった私を見て、楽しそうに喉を鳴らす。
いくつになっても、行為と言葉は恥ずかしさを覚えるもので、私は掛けられた布団で顔を隠した。