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今宵、君の全てを
第3章 おまけ
「あっ、あっ、やっ、あっ!」
弱いところを繰り返し突き上げられて震える程に気持ちが良い。
「欲しかった?」
「やっ」

聞かないで

「俺は、欲しかったよ」
「っ!」
「真純がずっと、欲しかった」
拓真さんの切ない声に、その言葉の切実さに胸の奥がギュッと締め付けられる。

拓真、さん……

「離したく、ない」
「あぁっ!」
奥深くを突き上げ、仰け反る私を少し強引に引き寄せて上下を返す。
「っすみ」
奥を突かれながら、降ってきた噛み付くような深いキス。
常にない強引な所作に拓真さんがずっと我慢してくれていた事を改めて実感する。

出張が延びる度に何も言わず受け入れてくれていたけれど、それは私を、私の仕事を尊重してくれているから。
ずっと会いたいって、こうしたいって思ってくれてたんだ……

いつも会う度に求めてくれる拓真さんの思い。それを「無理しないで週末は身体を休ませて」そう言ってくれる拓真さんに甘えて、流してしまっていた事に今さらながら気が付いた。

拓真さんはいつも私を一番に思ってくれている。
私は……?

「……くま、さ」
「ん?」
強引にしていても、呼び掛けると動きを緩め、ちゃんと聞いてくれる。
「あ、ありがと、ございます」
唐突にお礼を言った私に拓真さんがふふっと笑った。
「何、今みたいの、好きなの?」
「へ?」
からかうような言葉。でもその瞳は優しい。
「可愛い顔してエロいね、真純」
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