この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
今宵、君の全てを
第1章 今宵、君の全てを
顔なじみになったフロントの女性が笑顔で迎えてくれて、ちょっと元気をもらえた。
三台あるエレベーターはこんな時限ってなかなか来ない。
携帯もまだ、繋がらない。
拓真さん……
やっと来た右端の一台に急いで乗り込む。
待ってた人が一斉に乗ったから、十一階までほぼ各駅停車。
早く、早く……
もし部屋にいなかったら、どうしよう……
焦る気持ちと不安な気持ち。両方が胸を渦巻いて気持ちが悪い。
携帯も繋がらないほど怒らせてしまったんだとしたら、向こうに帰っても会ってもらえないかもしれない。
一気に強まった不安に胸がつぶされそう。
やっと十一階に着いて、廊下を急ぐ。
あれ、あの札……
ドアノブにかかる白い札。
『Don't Disturb』の文字に胸がギュッと締め付けられた。
この札が掛かってるって事は、拓真さん中で待っててくれてるんだよね?
電話が繋がらないのも、メールに返信が来ないのももしかしたら、眠ってる?
……こんな時間になっても寝てるって、拓真さん今日来るためにどんだけ無理してくれたんだろう……
ドキドキする胸を左手で押さえ、カードキーを差し込んだ。
カシャンと小さな音がして、そっとドアを押す。
カーテンの引かれてない窓からは夕日が赤く射し込んでいて。
なるべく静かに踏み込んだ部屋の中。ベッドの布団が人の大きさに盛り上がっているのが目に入った。
三台あるエレベーターはこんな時限ってなかなか来ない。
携帯もまだ、繋がらない。
拓真さん……
やっと来た右端の一台に急いで乗り込む。
待ってた人が一斉に乗ったから、十一階までほぼ各駅停車。
早く、早く……
もし部屋にいなかったら、どうしよう……
焦る気持ちと不安な気持ち。両方が胸を渦巻いて気持ちが悪い。
携帯も繋がらないほど怒らせてしまったんだとしたら、向こうに帰っても会ってもらえないかもしれない。
一気に強まった不安に胸がつぶされそう。
やっと十一階に着いて、廊下を急ぐ。
あれ、あの札……
ドアノブにかかる白い札。
『Don't Disturb』の文字に胸がギュッと締め付けられた。
この札が掛かってるって事は、拓真さん中で待っててくれてるんだよね?
電話が繋がらないのも、メールに返信が来ないのももしかしたら、眠ってる?
……こんな時間になっても寝てるって、拓真さん今日来るためにどんだけ無理してくれたんだろう……
ドキドキする胸を左手で押さえ、カードキーを差し込んだ。
カシャンと小さな音がして、そっとドアを押す。
カーテンの引かれてない窓からは夕日が赤く射し込んでいて。
なるべく静かに踏み込んだ部屋の中。ベッドの布団が人の大きさに盛り上がっているのが目に入った。