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今宵、君の全てを
第1章 今宵、君の全てを
振り返った真純は安心しきった寝顔を披露してくれていて。

何だよ。
まだお預けかよ

発散できない欲が腹の底で蠢く。
でも寝姦は趣味じゃない。
しかも真純の寝顔に疲れが溜まっていることも窺われて。
腕を回して真純を抱き寄せると、しばらくそのまま寝かせることにした。
柔らかな前髪をそっと掻き上げ、秀でた額に口づける。
甘い香りと温かな身体。
規則正しい静かな寝息に引き寄せられる。

駄目だ、俺も眠い……

意識できたのはそこまでだった。





ふっくらと温かいモノが触れてくる。

真純?

つい反射的に啄んで
「んっ……」
聞こえて来たのは愛しい女の甘い声。
開いた瞳に飛び込んできた閉ざされた目蓋。小刻みに震える長い睫。形の良い眉は少しひそめられていて。
腕を伸ばして華奢な身体を囲い込み、啄みを深めてく。
「んんっ……ふ、ふぁ……」
腕の中で真純が震える。
立ち上がってくる甘い香り。

や、べ……
止めらんない

歯列をノックして噛合を開かせ、滑り込ませた舌を真純の弱いその裏に這わせた。
「んっふ」
鼻にかかった甘い声。小さく震える身体が愛おしい。
口蓋を舐め、舌先を擽ってから舌を絡めて……
気付けば覆いかぶさる様にして真純を押さえつけ、深い口付けを交わしていた。
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