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インスタントコーヒー
第3章 再び
ソファーに寝っころがり、借りたタオルケットをかぶった。
すうっと大きく息を吸う。
不思議だった。
人を信頼することを一番避けてきた、今までユイとタクしか頼らなかった私が。
自ら2人以外の胸に飛び込んだ。
何かを解決してもらったわけでも、話を聞いてもらったわけでもない、なのにこんなに安心している。
考えなくてもわかった。
これが、『恋』なのだと。
タクに抱いた感情とは全く違う。
温かいのに苦しくて、自分では抑えきれないほど大きな感情。
理由なんてわからない、本能に突き動かされるようだった。
ぎゅうっと心臓が縛り付けられる。
先生のことが好き。もっと近づきたい。
触れたい。先生を感じたい。
でも、でも…
裏切られたら、また自分が傷ついてしまったら…
ゆっくりと目を閉じ、何度も自問自答を繰り返すが、答えは出ない。
疲れていたのだろう、そのまま私はすぐ眠りに落ちた。