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インスタントコーヒー
第4章 答え
お父さんに裏切られたあの時のことがフラッシュバックする。
同じ屋根の下にいることなんてできなかった。
私は家を出た。
向かう先はもう決まっていた。
とにかくあの手で撫でて、腕で抱きしめて、私を丸ごと受け止めてほしかった。
自然と歩みが早くなる。
心臓がうるさい。
周りの音は全部この鼓動に吸い込まれていく。
先生の住むマンションの駐車場には先生の車が止めてある。
先生はいる。
恐る恐る部屋のインターホンを押すと、先生はすぐに扉を開けた。
「アヤ…」
「せんせ…い…」
先生は何も言わず部屋に入れてくれた。