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インスタントコーヒー
第5章 その後

「ねえ、アヤ。最近何かあった?」

購買のパンを頬張りながらユイが言った。

ユイは上杉さんと登下校するようになったし、
お弁当の時間がユイとゆっくり話す唯一の時間である。

「なんかさ、最近考え事してるみたいにぼーっとしてること多いよ。」

「そ、そうかな、そんなことないけど…」

先生との関係を感づかれることが怖くて、思わず否定してしまった。

お母さんのことだけを言えば良かったのかもしれないけど、何となくできなかった。

一番信頼できる友人に変わりはないけれど、やっぱり私たち3人の関係はあの頃とは少し違う、と思う。

もう高校生だ。友達を巻き込むべき問題ではないことも分かる。


「そ、そういえば数学、やっぱ分かんないからまた教えてくれない?」


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