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インスタントコーヒー
第8章 疑惑

学校が閉まるまでは残って
明日の授業のための予習をだらだらとして、

9時までカフェで時間を潰す。

これから、先生に会える。

先生に抱かれる。

こんな時は浮かれてしまって
飲み物だけじゃなくて
普段頼まないちょっと高めのケーキも頼んでしまう。

時計がよく見える席に座って
ぼーっとしては時計を見て
まだこれだけしか経ってない、を
繰り返す。

店内は薄暗く
落ち着いたジャズソングが
雰囲気をまとめ上げている。

それとは裏腹に
私の身体は悪戯に熱い。

時計の針が8時55分を指すと同時に店を出た。

自然と早足になって
息が上がってしまっている、
バカみたいにドキドキしている。

河原に生い茂る草がサワサワと音を鳴らして
私を沈めようとしてくれているのも
耳に入らない。

今日はいやに月が大きくて少し赤くて
気味が悪いほどだった。
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