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インスタントコーヒー
第9章 支え〜タクside〜
アヤのことがずっと好きだった。
俺たち3人の距離感が変わったのは
俺がアヤを女として意識するように
なってからかもしれない。
俺は、アヤの過去を知っていて
アヤが恋愛に嫌悪感を持ってるのも
よく知っていた。
だから、言えなかった。
アヤがそのうち、俺の所に
来てくれる時を待とう、
そう思っていた。
バカだな、何も行動しなかったのは
自分なのに。
きちんと気持ちを伝えてたら、
何か違ったかもしれない。
俺がアヤに信頼してもらえる
男になる努力をすれば
よかったんじゃないのか。
今更、後悔したって遅い。
クロスバイクをまた力一杯漕ぐ。
ちくしょう、ちくしょう
ちくしょう。
悔しさを、
自己嫌悪を、
全部ペダルに込めた。