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インスタントコーヒー
第2章 高校生
あれから4年以上の月日が流れ、私は高校生となった。
家から一番近い高校に通うこととなった。
ユイとタクも一緒。クラスまで同じ。
腐れ縁というやつだ。
時間の流れは確実に過去の出来事を風化していく。
あの出来事も例外ではない。
お母さんはだんだん温かくて優しい昔のお母さんに近づいているように思う。
私も、私たちの生活をめちゃめちゃにしたお父さんに対する怒りや哀しみを昔ほど強く感じなくはなった。
過去に囚われても仕方ない、私もお母さんもそう割り切れるようになってきたのだと思う。
ただ、あの出来事以来、わたしはまず人を疑う癖がついた。
恋愛をする勇気も湧かなくなった。
どんなに信頼していても、大好きでも、いとも簡単に裏切られるのをこの目で見たから。