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インスタントコーヒー
第10章 向き合う

どうして、私たちは
教師と生徒なんだろう。

こんなに好きなのに、
気持ちも伝えられずに
別れなければならない運命を
呪うしかない。

そういえば、先生と最初にあったのも
この辺だったなあ。

あの日のことが蘇る。

抱きしめてくれた先生の温かさ。
いたずらに苦いインスタントコーヒー。

もう、全部過去のもの。

センチメンタルな回想に浸る。
そんな人間じゃなかったのになあって、
ちょっと可笑しくて
自嘲の笑みを浮かべる。

川の対岸で遊ぶ子供達は
何度もいれかわって、
自分1人だけがずうっとここにいる。

何時間経ったんだろう。

重い腰をあげトボトボと家に向かう。

重苦しい雰囲気漂う家に帰りたくないのは
相変わらずだけれど

もう、先生の家に行くことは
できないのだ。

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