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花咲く夜に
第6章 決心
夜、
めぐるは自室でうとうとしていた。


ここのところ、
貴斗が郵便局に勤めに出る日があって力仕事はほとんど1人でこなしていた。



『めぐりん、
ただい…………』

貴斗は半開きのめぐるの部屋のドアを開けながら言おうとしたセリフを途中で止める。


めぐるは座椅子に腰かけたまま、
テーブルに突っ伏してスースーと寝息を立てていた。


(疲れてるよな……そりゃ)


貴斗はめぐるの背中へと毛布を掛けた。


そのまま、
起こさないようにそうっと背後から抱き締める。


(…………あ。
心臓の音聴こえる)


貴斗は心地よいテンポで打つめぐるの鼓動を聴く。


『………と………』

めぐるが寝言を言う。

(やべ、
起こしたかな………)


『たかと………
ダメだって…………ネコ踏んだら……』


(何の夢を見てるんだコイツ(笑))

吹き出してしまった。


『……はっ?』
めぐるが目を覚ました。


『あれ、帰ってたの…………』目を擦りつつ、
『何で笑ってるの?そんなにお腹抱えて』


『ううん(笑)
お前面白い……くくっ』

『ひどい!
何で笑うのよー?』

『だってネコ踏ん……
あははは(笑)踏まないって』

『変な貴斗〜…』

『あ、弁当美味かったぞ。ありがとう。』
急に真顔になり貴斗は言う。

『そっか、良かった』


『なぁ、めぐる。
お前何か欲しいものある?』

『え?何、何かくれるのー?』
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