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花咲く夜に
第6章 決心
『……盲腸?』


少しくたびれた白衣を着た年配の医者は貴斗と昭恵を見て頷いた。


『急性虫垂炎ですね。
手術をすれば治ります。
全身麻酔ですし、
保証人の念書が必要なのですがご家族ですか?』


『……いえ、
家族ではありません』

『ではご家族に連絡を取っていただけますか?』



貴斗は外に出て、
以前聞いておいた〔美藤拓海〕の番号をコールする。


数回かけてようやく繋がった。

『え、めぐるが盲腸??
………保証人って……
分かった、父さんと母さんに言うよ。』拓海は即座に返答する。
病院の名を告げると『俺も行きます。
しばらく顔見て無かったし。』

『あのさ………』

『あんだよ?
雇い主だからってめぐるに嫌な思いさせてんじゃないの?』

『…………ごめん』

『………冗談だよ。
めぐるは結局……たが………んだ』
電波が悪いのか、
途切れ途切れになった。




そして、
プツリと切れた。


1時間半あと、
高速を使ってやってきためぐるの両親と貴斗は対面した。

頭を下げる。

肌の白い、
少しふっくらしたボブカットの女性が『めぐるがお世話になりまして』
と深々と頭を垂らした。めぐるの養母である。

隣では揃えて、
スーツ姿の年配の男性――――めぐるの養父だ―――――が恭しく礼をする。

痩身で高身長。瞳が大きい。
(拓海くんにそっくりだな)

貴斗は緊急時ながらもそんな事を思った。






手術は直ぐに行われ、
めぐるは手術室から台に乗せられて出てきた。


同じ頃に、
拓海が駆けつけた。

『めぐる!』


『ああ、無事終わったぞ』と父親が言う。
『もう少しで麻酔も切れるわ。
拓海、貴斗さんとお話でもしてなさいな?』


年齢が近いからと気を回した養母は、
『あ?
貴斗?………フン、仕方ないなぁ。めぐるの相手だし』とブツブツ言いながら待合室へと向かう拓海に首を傾げる。
(どうしたのかしら、
あの子)




貴斗と昭恵は外の待合室で座っていた。


『アキちゃんお久しぶりです。
今日は、め……姉が世話になって申し訳ありません』と昭恵に頭を下げた。
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