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花咲く夜に
第7章 離脱
『………タカ。
ショックかもしれん。
お前にとって重大なことが分かった。
幸久さんがその〔重大なこと〕を一先ずアタシに話そうと大阪に呼んだんだ』


『……………』
貴斗は真剣に耳を傾けている。


白ご飯の湯気が、
緊張した空気と対象的にほっこり上がっていた。



『タカの血のことだよ』



『……………
分かった。大丈夫、聞く』貴斗は顎を引き、
覚悟を決めたような締まった表情になる。


『貴斗。
お前の実の父親が分かったよ』


『…………えっ……』
貴斗は顔をバッと上げる。

『………なんで、
今頃……………………』
口から溢れたのだろう、呟いた。


めぐるはそんな貴斗を支えるかのように下を俯いて一緒に聞いている。



『………知りたいか?
お前にとっちゃ良いことじゃないかもしれない。』
昭恵は細い目を伏せ気味にして、
しかししっかりした話し口調で訊ねた。



掛け時計のチクタクチクタクという秒針の音が、

やけに大きく響いている。

暫しの時間を置いて、貴斗は口を開く。
『……………
知りたい。
どんなことでもいい。
俺の血は俺のものだから』

貴斗が毅然と言い切ると、昭恵は頷いた。。


『………貴斗。
お前の父親は、
あの子の前の旦那だったよ』

『…………えっ?
……………あの、若い時に結婚してた…………?』


めぐるはこの時に、
(美世さんとやらは再婚なのね………。
貴斗にも詳しく知らされてなかったのかな)
と気付く。。
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