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花咲く夜に
第7章 離脱
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美世という貴斗の母親は、20歳で初婚に至る。
相手は旅行先で出会った、5歳上の都会的な派手な男。
昭恵は『若すぎる』『美世は相手に釣り合わない』
と反対したが、
美世が養女だという負い目もあったため……
渋々了承する形となり、
夫婦は東京・荒川区にてアパート住まいをスタートさせた。
美世が相手の居住地に移り住む形だ。
が、
その結婚生活は美世が描いたものとは全く違い、
相手男性には遊ぶための女が何人も居た。。
ショックを受けた美世は一時的にこの村へと還るが、『甘えだ、だから言っただろう』
と昭恵は美世を責めた。
2年で離婚となり、
美世は再び谷津川にて暮らしを始めた。
『…………アタシが反対したからかねぇ…………
美世は離婚後も〔旅行だ〕と嘘をついて、
相手と逢っていたんだ。
幸久さんと出逢って再婚してからも、度々………。
そして貴斗お前が生まれた。
その〔初婚の相手〕が、
お前の父親だと……
幸久さんに連絡が入ったそうだ。
……………末期癌で入院中だそうだよ。美世が「貴方の子を産んだ」とお前の写真を送ってたらしいんだ。
自分の先がもう短いと分かって、
幸久に連絡したそうだ』
貴斗は無表情で俯いていた。
―――沈黙―――――
『……………………………………祖母さん。』
10分は経ただろうか。
重い空気のなか、
貴斗は昭恵に訊ねる。
『何だい』
『……………………いまいち、
ピンと来ない。
会ったことも見たこともない男を「父親だ」と言われても………………』
『…………………』
昭恵は目を伏せた。
『……………でも。
…………だから、
何だってんだ?
祖母さんは嫌かもしれないけど。
俺には父さんしか父親だと思えないよ』
『…………嫌って何だよ』
『母さんがああなったから。
大阪に行かなければ、
ああはならなかったかもしれない……………………』
『…………嫌な訳がないだろう。
それに………………
アタシだって、美世と血の繋がりはないんだ。
だけど……………………』昭恵はそこで言葉を切る。
相手は旅行先で出会った、5歳上の都会的な派手な男。
昭恵は『若すぎる』『美世は相手に釣り合わない』
と反対したが、
美世が養女だという負い目もあったため……
渋々了承する形となり、
夫婦は東京・荒川区にてアパート住まいをスタートさせた。
美世が相手の居住地に移り住む形だ。
が、
その結婚生活は美世が描いたものとは全く違い、
相手男性には遊ぶための女が何人も居た。。
ショックを受けた美世は一時的にこの村へと還るが、『甘えだ、だから言っただろう』
と昭恵は美世を責めた。
2年で離婚となり、
美世は再び谷津川にて暮らしを始めた。
『…………アタシが反対したからかねぇ…………
美世は離婚後も〔旅行だ〕と嘘をついて、
相手と逢っていたんだ。
幸久さんと出逢って再婚してからも、度々………。
そして貴斗お前が生まれた。
その〔初婚の相手〕が、
お前の父親だと……
幸久さんに連絡が入ったそうだ。
……………末期癌で入院中だそうだよ。美世が「貴方の子を産んだ」とお前の写真を送ってたらしいんだ。
自分の先がもう短いと分かって、
幸久に連絡したそうだ』
貴斗は無表情で俯いていた。
―――沈黙―――――
『……………………………………祖母さん。』
10分は経ただろうか。
重い空気のなか、
貴斗は昭恵に訊ねる。
『何だい』
『……………………いまいち、
ピンと来ない。
会ったことも見たこともない男を「父親だ」と言われても………………』
『…………………』
昭恵は目を伏せた。
『……………でも。
…………だから、
何だってんだ?
祖母さんは嫌かもしれないけど。
俺には父さんしか父親だと思えないよ』
『…………嫌って何だよ』
『母さんがああなったから。
大阪に行かなければ、
ああはならなかったかもしれない……………………』
『…………嫌な訳がないだろう。
それに………………
アタシだって、美世と血の繋がりはないんだ。
だけど……………………』昭恵はそこで言葉を切る。
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