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花咲く夜に
第8章 旅立
『………なんだい、
貴斗が妊娠に怖じ気づいたって言いたいのかい』
昭恵は更に絡む。



『有り得るかも知れないよ?
だって長くアキちゃんと2人だけだったし?
めぐるの事も責任感じてんだかどうだか』
昭恵に絡み返す拓海。




『みんな、やめてっ!』
めぐるが怒鳴った。



シン………


座敷間が静まり返る。


『私は、貴斗さんを信じてるの!
誰だって……自分の本当の父親が見つかったら動揺するし戸惑うわよ。
しかも、末期癌だなんて知ったら普段通りに居られるわけない!
………大丈夫なんだから!貴斗さんを責めないでっ』
めぐるは言いながら立ち上がり、座敷間を出る。



『めぐる!
何処に行くんだよ』
拓海が慌てて呼び止めた。


『………ちょっと外の空気吸ってくる』

座敷間の面々に背中を向けて、
そう言い切るとめぐるは外へ出て行った。。














座敷間に気まずい沈黙が流れる。


『………焦っちゃって………申し訳ありませんでした……』
母・恭子が頭を下げた。


『いんや、あたしこそ…………元凶は貴斗なのに………すみません』
昭恵が謝り返す。


『………だめだなぁ、
当人が居なくちゃ』
拓海が呟く。
『ここであれこれ言っても変わらないね…』



皆、〔うーん………〕と唸る。
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