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花咲く夜に
第3章 興味
思い出して恥ずかしくなり、
見悶えた。

(色々狡い……)

貴斗の視線と指先、
身体の線や息遣い………………

(めぐるは…?)

私を名前で呼んだ。


めぐるは五衛門風呂の釜の中で、
温まった身体を更に真っ赤にしてフラフラと上がった。


汗が引くのを待ち、
脱衣場で髪を乾かして昭恵に『お風呂いただきました!』
と声をかける。

『あっ、電話でましたよ。病院、に居るって言ってました』


昭恵はテレビ番組を観ながらボーッとしていたが、
〔病院〕というワードにギョッとしてめぐるを見た。

『えっ、
タカがかい?
怪我か?事故か?』


『知り合いが居るって…』

『え………』


昭恵は虚を突かれたように、
目を丸くして固まった。

『まさか。
タカが、
あの子に……』

思わず溢れた1人言。

そんな感覚で、
めぐるは微かに『美世【ミヨ】の?……』
との呟きを耳にした。


―――何があるんだろう?
めぐるは疑念を持つ。。


が、
所詮自分は居候で他人なのだ。
出しゃばるのは憚られる。自分も、〔訳あり〕なのだ。

昭恵は立ち上がりスタスタ歩いて風呂場へ向かう。
(元気なら、
大丈夫かな。

また、今度訊いてみよう………)


そして自室に戻って目を閉じて、眠った。
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