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花咲く夜に
第3章 興味
拓海の車を見送って、

貴斗は『元気な弟さんだね』
とめぐるの肩を叩いた。。
『ちょっとシスコン度が酷い気もするけどな(笑)』


『血が繋がってないからだと思う』
めぐるはしっかりした声を出した。

『………え?』
貴斗は目を見開いて振り返った。

『血、繋がってないの?
親が再婚同士……か?』


『ううん。
私の本当の両親は、亡くなったのよ。
私がうんと小さい時に事故でね。
母の姉だったのが、
拓海の母親……。引き取ってくれたんだ。小さ過ぎて憶えてないけれど、私が2歳で拓海が生まれたばかりだったのよ』


(そうか………
そんな事情があったのか)

それでめぐるは何処か淡々としているのかも知れない。

―――しかし、
あの弟……アイツはあれは女を見る目だぞ??
その謎は解けたけど。俺に敵意剥き出しじゃねーか。めぐるは気付いてるのかな。


めぐるの白い、
美しい横顔を見た。

(――気付いてないよなぁ…………)


がっくりと項垂れた。
(でも、
まぁいいや。
一つ知れたな……)


『ただいま〜〜〜』
よっこらしょ、
と昭恵がスーパーの袋を下げて玄関から入る。


『おかえりなさい!
これ、どうしたんですか?』
袋には大量のお餅が入っていた。

『寄り合いで近所の人がくれたんだよ。
竹中さんてジジィだ(笑)作り過ぎたんだとさ。
冷凍しておこうかね。』


『じゃ、
冷凍庫に入れますよ』
めぐるはずっしりと重い袋を両手に下げて、
台所に行き冷凍庫に仕舞った。


『あれっ』
中に緑色のお餅もある。


めぐるは仕舞ったあと、
昼からの仕事へ出る際に貴斗に訊ねた。
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