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たとえそこに、愛がなくとも
第1章 悪戯な再会

私には、誰にも言えない秘密があった。
親にも、友達にも、これからできるかもしれない恋人や夫にも、誰ひとり教えられない。私が過去に犯した過ち。
それは、私が元風俗嬢だったということ。
具体的に言えば、ファッションヘルスの風俗嬢。
怪しげなネオンが光るビルの一室で、キラキラとしたミニドレスを身にまとい、10センチほどのヒールをはいて客を待つ。
部屋にあるのはベッドとシャワールーム。電気の光量は自分で調節することができて、私はあまり身体を見られたくないから極力暗くするようにしていた。
指名が入れば部屋を出て、客を迎えに行くためにエレベーターの前へ。
「はじめまして、ななみです」
エレベーターから降りてくる客に源氏名を名乗り、自分が待機していた部屋へと客を案内した。
「ななみちゃんって言うの?可愛いね」
「ありがとう」
部屋に入ると、客は私の身体の各場所を弄りながらチュッと一度くちづける。
一度くちづければスイッチが入ったように、再びくちづけ、舌を入れて私の口内をかき混ぜ、いやらしい音を立てながらベッドへ誘導していく。
「……んっ、待って……。ちゃんと、シャワー浴びてから」
「このままじゃダメ?」
「ダメよ。ななみがここ、綺麗にしてあげたいの」
私はすでに少し大きくなっている客のそこを、パンツの上からそっとなぞり上げる。
「……っ、ななみちゃん、エッチだなぁ」
「ね?洗い合いっこしよ?」
こうしてなんとか客をシャワールームに連れ込むのが、業務のマニュアル。

