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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体



「あっあっあっあぁっ」

「はっ……桃……っ」

再び名前を呼ぶ声に、私の胸は締め付けられる。

彼にドキドキしてしまうなんて、彼を求めてしまうなんて、なんだか悔しい。でも、欲しい。

「もっと……っ、もっと突いて……ああっ」

「くっ……、あまり締めるな……っ」

彼は苦しそうに顔を歪める。けれど私の奥を何度も突き、あまりの気持ち良さに私は腰を浮かせてしまう。

「あっあっあっあんっ、んんっ、はあぁっ……」

私を満足させるこの大きさ、この太さ、長さ、動き。

間違えなく彼のモノだ。これが私の身体の中に入って暴れることがたまらなく好きだった。いつも求めていた。

「類……類……っ」


悪戯にも再会して、口止め料として彼に身体を売って、それなのに悦ばされるなんて悔しい。でも気持ち良い。

それに……本当は彼に会いたかったなんて、本当は彼のことが好きだったなんて、気づいてしまった心の奥底にある私の本心が悔しい……。

彼に会いたかった。彼にあって唇を重ね、身体を重ね、思うままにお互いを求め合いたい。

あの店もあの仕事も大嫌いだった。けれど、彼とこうして抱き合い淫らに喘ぐことは好きだった。

「……ずっと、会いたかった。もう一度、会いたかった……」

私は彼の背中に爪を立て、夢中で彼を求め続ける。

「類……もっと……ああぁっ」

理屈など考えず、ただ、本能のままに彼を求め続けた。



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