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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体

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風俗に来る客に多いのは、とにかくモテない人。
体型の問題、顔の問題、年齢の問題……いろいろな問題があって女性にモテない人。
次に多いのは、彼女や妻がいるがマンネリ化していたり、複数の女の子と遊びたいと思っていたりする人。
そんな人たちが女性に優しくされるために、性欲を処理するために、こうして風俗に通うようになる。
そうお店の人に言い聞かされてきた。
だからどんな客に対しても笑顔で、どんな客に対してもお金と時間を自分のために提供してくれたことに感謝を込めて、客を気持ち良くさせる、癒してあげる。それが私たちのオシゴトだった。
この仕事をする風俗嬢を軽蔑するつもりは一切ない。風俗嬢も立派な職業だ、ひとりの働く人間として尊重する。
実際この世界から風俗店が消えれば性犯罪は増えるだろうし、夫婦のセックスレスから離婚に繋がることも増えるだろう。
だから風俗店を否定するつもりもない。
でも私には合わなかった。ただこの世界が好きになれなかった。最初から最後まで、私は嫌々ながら仕事を続けてきた。

