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たとえそこに、愛がなくとも
第2章 ふしだらな身体


「来宮」

すぐ後ろから、あまり聞きたくない声が聞こえる。もちろん音峰店長だ。

「な、なんですか」

私は少し身構えながら彼に返答した。

「玉ねぎ切るとき、何か咥えながら切ったら目にしみないらしいぞ」

「え、そうなんですか?」

予想以上の豆知識が聞けて、私は思わず彼の方を見てしまう。

「ああ。身近なものでいえば、割り箸とかスプーンとか」

「なるほど……けど、やってると変な目で見られそうですね」

いいアイディアだとは思ったが、店では実践できそうにない。私は彼に苦笑してみせた。

「それから」

「はい」

「お前、顔に出しすぎ」

「へ……何を……?」

彼は軽く私の腰に手を添えると、耳元に唇を寄せた。

「俺とのセックスを、思い出してたのか?」

「……っ!」

甘く響く重低音。淫らな用語。

私は思わず振り上げそうになった包丁をなんとか制御した。

「なんてこと言うんですか!仕事中ですよ?正気ですか?」

このキッチンは奥にあるといえど、何か隔てるものがあるわけではない。誰にでも見られる場所だ。

「言葉だけで足りないと言うのなら、今ここでお前を愉しませてやってもいい」

私の腰に添えられた手はいやらしく動き、背中がゾクゾクしてしまう。

「バカ言わないでください。ありえない……」

「冗談に決まってるだろう。悪いな、期待に答えられなくて」

彼はバカにするように「フン」と笑うと、ヒラヒラと手を振りながら自分のポジションへと戻った。

遊ばれた……最悪……。



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